"TAKAYUKI YAMAMOTO" 山本高之

山本高之 "TAKAYUKI YAMAMOTO"

2006年10月14日(土)– 11月12日(日)

*水・木・金曜日:12:00 – 20:00、土・日・祝日:13:00 – 21:00

マズプログラムスペースでは2006年10月14日(土)から11月12日(日)まで、山本高之 個展を開催いたします。

山本高之は愛知教育大学大学院を修了後にロンドンに渡り、チェルシー・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザインMAを修了、シャージャ・インターナショナル・ビエンナーレ(アラブ首長国連邦)に参加するなど、世界各地の展覧会で発表を続ける気鋭の美術作家です。日本でも昨年に豊田市美術館で開催された「ベリー ベリー ヒューマン」展に参加し、一躍脚光を浴びることになりました。本展は山本の帰国後初の個展であり、日本での実質的デビューといえる展覧会になります。

昨年、下校中の児童連れ去り事件が世間を賑わせた直後に発表された「登下校時不審者対策防護服まもるくん」は、ロボットアニメのプラモデルの外殻を思わせる「Protect Suits まもるくん」を着用した児童が下校中に犬に吠えられて逃げ出すという1分間のビデオ作品です。自らを守るためのスーツを身につけた姿が奇怪なために、逆に不審者として映ってしまうというシュミレーションを通して、目的と結果の逆転を皮肉りました。また、不適な笑みを浮かべた山本が大勢の児童を連れて校門から出て行こうとする様子を撮った写真作品「無題(ハメルン)」でも見られるように、山本は自身の日常を巧みに演出・編集することで現実をフィクションに転換させ、その差異を通して私たちの身近な問題や普段意識されにくい社会の構造を浮かび上がらせます。アーティストである一方、32歳小学校教師(男)として現代社会に生きる山本にとって、リアリティとは日々の物質的生活にこそ根差したものであり、制作活動は真実とされているものに対する問いかけであり検証であるといえます。

大型車のクラウンの横で小型車のヴィッツを洗車している山本を、その背後の少し俯瞰した視点から撮影した写真作品「無題(クラウンの横に駐車したヴィッツを洗車)」では、2台の車格の差をそのまま山本のもつ妬みや劣等感に見立て、格差社会と言われる昨今の日本の状況をユーモラスに表現しています。山本は、周知の事実とされている社会問題や一方的な解釈に陥りがちな話題を自身の身近なレヴェルにまで落とし込むことで、その真理を宙吊りにして観る者に対峙させます。山本の作品に通じるのは、そういった問題を扱いながらも決して深刻にならず、その現実の社会の中で、笑いを交えて積極的に生きる意思を提示することであり、私たちのもつ問題意識や経験から生まれる心理を映す鏡のようなその作品の構造にあるといえるでしょう。

本展では新作の映像や写真、立体作品を多数出品するほか、これまでに発表されてきた作品を交え、それぞれが断片として「山本高之」というひとつの世界の痕跡を展示するような展覧会となります。

展覧会初日の10/14(土)18:30よりオープニングパーティーを開催いたします。ご多忙とは存じますが、ご高覧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

特別協賛

日本ビクター株式会社

協賛

画箋堂/the Palece Side hotel/法然院